
こんにちは、みいです!
「片手で料理ってどうやって作るんだろう?」
私も、はじめそう思いました。
私自身、また周囲の方に回復期病棟で調理リハビリを経験したことのあるセラピストがいなかったため、いくつかの本を購入して学びました。
今日紹介する本は、そのうちの1冊です。

片麻痺の方で、料理を作るにはどうしたらいいの?と思っている方に役立つ書籍を紹介します。
紹介する本【医者がすすめる クッキングリハビリ】
【医者がすすめる クッキングリハビリ】
執筆者は福岡大学医学部 脳神経内科学教室で講師をされている医師、医療法人社団誠和会 牟田病院の作業療法士・管理栄養士です。
末尾には回復期リハビリテーション病棟のクッキングリハの風景写真もあり
普段回復期病棟で実際に調理リハビリを行っている、片麻痺の調理に関するスペシャリストが作った本です。
料理を楽しみながら、それがリハビリになる
「この工程ではどの筋肉を使って、同時に脳はどう働いているのか」を紹介し、生活機能向上に少しでも役立てていただきたいという思いで本書を出版することにしました。「料理をするだけで自然とリハビリ」。これが私たちがこの本でお伝えしたいことです。
引用元:医者がすすめる クッキングリハビリ
上記のとおり、料理を通してリハビリをという内容のため、麻痺側の手を使うことが前提です。
麻痺側の筋肉や損傷を受けた脳を刺激し、リハビリになるからです。
麻痺側の手だけではなく、料理は体(全身)も頭(五感)も使うことを強調されています。



私のサイトでは「できていたことがもうできない」といった喪失感に対して、「やってみよう!」と思ってもらえるように、あえて麻痺側を使うことを前提にせずに、片手でも作れるよ!という事を前面に出しています。
そして「できた!」という成功体験を通して、また作ってみよう、麻痺側も使ってみよう、と自信や意欲につながっていけばいいなと思っています。
最終的には、自身の能力すべてを使って料理をすることで、機能回復につながって欲しいのです。
なので、私自身、本書を大変参考にさせていただいています。
麻痺側がまったく調理に参加できない方のための本ではありませんが、麻痺側が参加できない方も、料理がどんなことに効果があるのか、身体に関しどんなことに気を付けるのか、参考になる点はたくさんありますので、一読の価値があると思います。
この本のおすすめポイント4選
オススメポイント①高次脳機能障害についての説明がわかりやすい
この本の素晴らしいと思ったところは高次脳機能障害があると、調理の際にどんな問題が起こるのか、一般の方にもわかりやすく説明されているところです。
例えば、「なぜ手順がわからなくなるのだろう?」「なぜ手は動くのに、いままで使えていた道具が使えないだろ」という疑問に対して、それはどういった症状なのか、脳のどの部分が関係するのか、どのように対応すればいいのか、といった対応策が記載されています。



内容が具体的なので分かりやすいです!
麻痺と違い、高次脳機能障害は目に見えない障害です。それに対しご家族など周りの方が理解することにも役立つと思います。
おすすめポイント②筋肉・脳のリハビリポイント別おすすめレシピが15種類紹介されている
筋肉・脳のリハビリポイント別おすすめレシピが15種類も紹介されています。
料理をする時に、「いまここを鍛えているんだな!」なんて考えないですが😅
本書を見ながらであれば体のここの部分のリハビリになっているんだな!とわかりやすいです。



キウイのカプレーゼなど、作ってみたいな💕と思わせるメニューが紹介されています
また難易度も☆1つから☆5つで表示されており、ご自身に合わせて選ぶことが出来ます。
おすすめポイント③調理の工程は写真が多く失語症の方にもわかりやすい!
失語症の症状があり、文字から情報をとりにくい方でも、写真がたくさんあるのでわかりやすいと思います。
工程1つ1つに丁寧に写真がついており、写真の枠にここが「リハビリポイント」だよ!と表示されているのも、わかりやすいです。
おすすめポイント④調理工程以外の話もためになる
医師の視点から脳の病気や虚弱の話
リハビリの視点から筋力・バランス・トレーニングの話
管理栄養士の視点から栄養の話・食材の効能の話など、多岐にわたって様々な情報が網羅されています。
難しそうに感じますが
挿絵も多く、全体を通して簡単な言葉で説明されています。
まとめ
医者がすすめる クッキングリハビリを読むと、なぜ料理をすることがリハビリになるのかがわかります。



脳卒中後遺症のある方も、そのご家族など周囲の方も、前向きな気持ちになる1冊だと思います。
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